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セールスフォース(CRM)株価分析:なぜ急落?

目次

セールスフォースの株価はなぜ急落したのか?

『OUT-STANDER』による現状分析

セールスフォースのリスクスコア
OUT-STANDERスコア基準

算出結果:
・スコア:90(不安定)
・3/7(候補日)に向かって下落の勢いが加速中。
・現状、株価の底値が見えない状況。

5つの詳細な指標

(1)リスクに対するリターン

セールスフォースの株価リターン

・年換算で41.4%の下落。(市場に対して50.3%の劣位)
・市場との共通要因で9.9%上昇。しかし個別株の要因で69.2%下落。

(2)最大下落率

セールスフォースの最大下落率

・最大下落幅:▲33.9%(×)
 1月中旬以降の落ち込みが特に深い。

(3)感応度

セールスフォースの感応度と説明係数

・市場との相関は、直近で更に低くなって9%。
 なので、感応度の数字には意味がない。

(4)ボラティリティ

セールスフォースのボラティリティ

・1月以降にバラツキ具合も急拡大の傾向。
 (下落傾向でボラティリティ拡大≒急落。)

(5)信用取引の状況

セールスフォース信用取引の状況


・空売り比率も50%未満。
・空売りはヘッジ目的でのプットオプションの購入や
 マーケットメーカーによるヘッジが中心。
・株価の下落原因は空売りではなく、現物売りに対する買いの枯渇。

1月以降に急落した理由

前提:
セールスフォースの最高値は、2024年12月6日。
1年以上、下落傾向。

(1)2026年1月:複数のアナリストがセールスフォースをダウングレード。
(2)2月3日 Anthropic「Claude Cowork」ショック
(3)2月25日 Q4決算発表。決算の内容は良かったが株価の傾向は変えなかった。

ゆえに、
◽️ 現在状況の結論

セールスフォースのリスクスコア

『OUT-STANDER』の算出結果
・スコア:90(不安定)
・3/7(候補日)に向かって下落の勢いが加速中。
・現状、株価の底値が見えない状況。

セールスフォースの理論株価

セールスフォースの
時価は価値に比べて、

割安(▲24.95%)

以下、
理由、、、

株価の定量分析

【株価=EPS(1株当たり純利益)× PER(株価収益率)】

セールスフォースの
EPS(1株当たり純利益)は、

+53.0% / 年

セールスフォースのEPS

なお、
EPSの成長の94%が当期利益の増加が要因。

セールスフォースのEPS内訳

なので、
もしPER(株価収益率)の方が一定だとしたら、
セールスフォースの株価は上昇する。

しかし、
セールスフォースのPER(株価収益率)は、
期間全体で見た場合は、

▲25.9%。

セールスフォースのPER推移

なお、

PER(株価収益率)の変動に
最も大きな影響があるのは、
ROE(自己資本利益率)。

セールスフォースの
ROE(自己資本利益率)は、
期間全体だと、

+20.3% / 年

セールスフォースのROE推移

ROEの構成要因は、
・95%が当期利益率
・5%がその他(総資産回転率)

セールスフォースのROE内訳

ROE(自己資本利益率)が伸びているのであれば、
PER(株価収益率)の下落傾向は不合理。
(ただし、セールスフォースの場合、
 過去は分母のEPSが小さすぎたので
PERが高過ぎた期間も長かった。)

なので
株価に関しては、

・EPS(1株当たり当期利益):+53.0% / 年

・PER(株価収益率)    :▲ 25.9% / 年
⬇︎
・株価          :+27.1% / 年

セールスフォースの適正なPERは?

セールスフォースの、
ROEは年による変動が大きい。
(投資先の評価益や評価損が
 当期利益を大きく変動させるため。)

よって、
ROEは無視した上で、
FCF(フリーキャッシュフロー)の方で
適正なPERを算出する。

セールスフォースのFCF推移

前提1:
【企業価値=FCF÷(割引率−成長率)】

前提2:
顧客企業(特に大企業)にとってソフトの切替費用は非常に大きい

(組織上の課題)
1位:意思決定のリスク
   (切り替えが失敗したら誰が責任を取るのか。「Salesforceのままなら誰も責められない」という心理)
2位:現場の抵抗と生産性低下
   (営業チームが新ツールを拒否する。移行期間中に売上が落ちるリスク)

(技術・運用面の課題)
3位:蓄積データの移行リスク
   (何年分もの顧客情報・商談履歴・対応記録が壊れる・欠損する恐怖。データは取り戻せない。)

4位:カスタム開発の全損
   (セールスフォースのプログラミング言語であるApexによって
    何百時間かけて構築したワークフロー、自動化ルールなどの資産がゼロになる)

5位:外部連携の再構築
   (ERP・会計・MA・Slack等との連携が切れる。1本直すたびに別が壊れる連鎖リスク)

SaaS。ソフトのスイッチングコスト

よって、

Anthropic「Claude Cowork」ショックとは?

×:SaaS企業のソフトが不要になる。
◯:Claude Coworkを使えばソフトを非常に安価に開発できるようになる。
⬇︎
しかし、仮にセールスフォースのソフトを超える性能を
他社(特にベンチャー)が開発できたとしても、
顧客企業へ実際に普及するか・どうかは全く別の議論。

なぜなら、
他のソフトに切り替えることで売上が20%増える可能性は低い。
しかし、他のソフトに切り替えることで売上が一時的に
20%低下するリスクはあるから。

要するに、
・セールスフォースのソフトを使い続けて解雇される社員はいない。
・しかし、他の新興ソフトに切り替えることで解雇される社員はいる。

なので、
セールスフォースにとっては、

×:SaaSショック
◯:サブスクのリスク
  (ソフトが有能になればなるほど、今までより少ないソフト利用者で良くなる。
  だから、これまでの「席数×利用料金」という課金形態を、
  従量課金や成果報酬に切り替える必要は出て来ている。)

前提3:SWOT分析

・強み:シェア20.7%。12年連続でシェア1位。
・弱み:売上の成長率が低下傾向。成熟企業化。
・機会:AIエージェント市場の拡大。高付加価値化の流れ。
・脅威:競合のマイクロソフトの競争。

セールスフォースのSWOT分析

よって、
セールスフォース
・2031年までFCFが年10%の高成長
・2032年以降はFCFは年3%の安定成長で永続を設定

セールスフォースのFCF予測

結果
適正PERは、

31.4倍

結論:現在の株価は「割安」

セールスフォース株の価値は、

・価値:$261.23
・時価:$196.05

割安(▲24.95%)

以上、
「セールスフォース:株価分析」
でした。

あなたのとても貴重な時間にて
文章を最後までお読みくださり感謝しています。
いつも本当にありがとうございます。

白坂 慎太郎

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この記事を書いた人

白坂慎太郎(STAR SOLEIL PTE. LTD. CEO / シンガポール在住)
不確実性の高い市場で戦い続ける起業家としての経験を経て、シンガポールにてSTAR SOLEIL PTE. LTD.を設立。独自のAIクオンツ分析により、多忙な経営者や専門職の方々が自らの判断で市場を捉えるための高度な分析インフラを提供している。

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